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富田 純平
ぶんせき, 2019(3), p.112 - 113, 2019/03
バイオアッセイ試料中の放射性核種分析は、従来、煩雑な放射化学分離及び放射線計測により実施されてきた。しかしながら、近年、抽出クロマトグラフィーレジンの登場やICP-MSの感度向上及び干渉除去技術の進歩により、分析が迅速・簡便化されつつある状況にある。そこで、バイオアッセイ試料分析の例として、尿中のPu同位体及びSr分析に着目し、従来及び最近開発された分析法について紹介した。尿中のPu分析法では、従来の陰イオン交換法と線スペクトロメトリーによる分析法及び最近発表されたTEVA, UTEVA, DGA resinを使用した抽出クロマトグラフィーと高効率試料導入装置を連結したSF-ICP-MS測定によるUを高濃度に含む尿中Pu迅速分析法を紹介した。尿中のSr分析法では、従来の発煙硝酸法によるSrの放射化学分離と線測定による分析法、TRUとSr resinによるSrの迅速分離と分離直後の線スペクトロメトリーを組み合わせた迅速分析法及びSr resinによるSrの分離とICP-MS測定を組み合わせた分析法について紹介した。
堀田 拓摩; 浅井 志保; 半澤 有希子; 斎藤 恭一*; 藤原 邦夫*; 須郷 高信*; 北辻 章浩
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故により発生した汚染水中のSrの迅速分析が求められている。これまで、放射性Csについては迅速回収のための吸着繊維が、放射線グラフト重合技術に基づき作製され実用化されている。本研究では、Cs吸着繊維と同様に、繊維表面に付与した高分子鎖にSr吸着物質を高密度に担持する技術を適用してSr分析の迅速化が可能か検討した。更に、長い高分子鎖が得られる放射線エマルジョングラフト重合法(グラフト重合)、並びに自由な成形性をもつ繊維構造に着目し、Sr吸着容量を向上させ、Sr分離操作の簡略化とSr溶出操作の省略を可能とし、放射線測定に最適なSr吸着繊維の作製を検討した。ポリエチレン繊維を基材として、グラフト重合によりメタクリル酸グリシジルを重合した。さらに、オクタデシルアミンを結合し繊維表面の疎水性を高め、疎水性相互作用によりジシクロヘキサノ-18-クラウン-6-エーテルを担持したSr吸着繊維を作製した。Sr吸着実験の結果から、Sr吸着繊維は既存のSr吸着材料と遜色ない吸着容量を示したことから、Sr吸着繊維はSrの迅速分析への適用性が高いと結論した。
富田 純平; 竹内 絵里奈
no journal, ,
本研究では、簡便な共沈及び抽出クロマトグラフィーによるSrの迅速分離とトリプル四重極ICP-MS(ICP-MS/MS)によるSr濃度測定を組み合わせた尿中Srの迅速分析法について検討した。Srは、MS/MSモードで測定し、リアクションガスとしてO(流量100%)を使用した。Srを50mg/L含む溶液を測定したところ、m/z=90へのSrテーリングの影響は確認されなかった。また、この測定条件では、同重体であるZrに加え、Ge及びSeによる干渉が確認されため、合成尿(1.6L)にGe, Se, Sr及びZrをそれぞれ1mg添加し、リン酸塩共沈により回収後、抽出クロマトグラフィー用レジン(プレフィルタ、TRU及びSrレジンをこの順番に連結したもの)によりSrを分離した。その結果、m/z=90のシグナル強度はバックグラウンドレベルまで低減できた。この時のSrの回収率は平均77%であった。また、合成尿(1.2-1.6L)に既知量のSr添加し、同様に分析したところ、測定値は添加量と誤差範囲(2)内で一致し、手法の妥当性が確認された。本実験で得られた検出限界値は約1.0Bq/尿試料であり、尿試料からのSr分離及びICP-MSによるSr測定に要した時間は10時間程度であった。